当院では、学生の皆さんが安心して学び、臨床現場の雰囲気を体験できるよう、院内での研修体制を整えています。研修では、座学だけでなく実際の症例を通じた学びや、チームカンファレンスへの参加を取り入れ、現場で必要となる実践力を養うことができます。また、指導者が一人ひとりに寄り添い、丁寧にフィードバックを行うことで、「学んで終わり」ではなく「次につながる成長」につながるようサポートしています。私たちは、学生の皆さんにとって「学びながら成長できる場所」でありたいと考えています。

研修で学べる事

  • チーム医療の実際(医師・看護師・作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・管理栄養士・薬剤師との協働)
  • 患者さんとの接し方・コミュニケーションスキル
  • 臨床推論やリハビリ計画の立て方
  • 院内勉強会・症例検討会の参加

座学研修

座学研修では、作業療法士として臨床に立つための基礎知識を体系的に学びます。
医療安全・感染対策・記録方法といった病院勤務に欠かせない内容に加え、脳血管疾患・整形外科疾患・高齢期リハビリテーションなど、幅広い領域における作業療法の基礎理論を学習します。
また、ADL評価法や認知機能検査、生活行為向上マネジメント等の評価ツールの理解を深め、臨床での評価・介入につなげられる力を養います。

生活行為向上マネジメント(MTDLP)

https://www.jaot.or.jp/files/page/wp-content/uploads/2014/12/panflet.pdf

当院では、作業療法士として欠かせない視点である「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」について学ぶ勉強会を定期的に開催しています。

生活行為向上マネジメントとは、患者さんが「自分らしい生活」を取り戻すことを目指し、希望や生活課題を共有しながら支援計画を立てるプロセスです。単に機能回復を図るだけでなく、「料理がしたい」「外出したい」「趣味を再開したい」といった生活の目標に焦点をあてる点が特徴です。


研修会では、経験年数別に「生活行為向上マネジメントの基本理念と流れ」「面接シートやチェックリストの使い方」「患者さんとの対話の工夫(モチベーションを引き出す方法)」「実際の症例を用いたケーススタディ」「多職種連携における活用方法」を学習します。


本研修会を通じて、患者さんの「やりたいこと」を実現するための視点を身につけ、臨床での支援に活かすことを目指します。

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実技研修

実技研修では、座学で学んだ知識を実践に結びつけることを目的としています。
基本的な関節可動域訓練や上肢機能訓練の手技練習、食事・更衣・トイレ動作などの日常生活動作の介助方法を体験的に学びます。さらに、作業活動(手工芸など)の導入方法、福祉用具や自助具の使い方、環境調整の工夫なども実践的に習得します。
実技研修を通じて「患者さんに安全に、かつ効果的に介入できる臨床スキル」を少しずつ身につけていきます。

物理療法(リハ機器)

当院では、作業療法士が日常的に活用しているリハ機器(MELTz・@ATTENTION・ADOC・3Dプリンターなど)について実技研修を行っています。
座学で学んだ基礎知識をもとに、実際の機器の取り扱い方法や安全管理、患者さんへの適応判断を実践的に学ぶことができます。
「どうすれば痛みの軽減や関節可動域の改善につながるのか?」を実体験を通して理解することで、臨床実習や将来の臨床場面に直結する知識と技術を習得できます。

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最後に

患者さんの「やりたいこと」を尊重し、その実現に向けてどのように支援計画を立てるかを学ぶことができます。
座学や実技で学んだ知識を症例に応用しながら考えることで、臨床で必要な判断力や柔軟な対応力を身につけることができます。
将来の臨床に向けて、OTとしての視点を広げ、患者さんの生活に寄り添えるよう一緒に目指していきましょう!